何のために働くのか
- 作者: 北尾吉孝
- 出版社/メーカー: 致知出版社
- 発売日: 2012/03/09
- メディア: 新書
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江戸時代の儒学者佐藤一斎は『言志四録』の中で、
「人は須らく自ら省察すべし。『天、何の故にか我が身を生み出し、我をして果たして何の用にか供せしむる。我れ既に天物なれば、必ず天役あり。天役共せずんば、天の咎め必ず至らむ。』省察して此に至れば、即ち我が身の苟くも生くべからざるを知らむ」(『言志録』第十条)
と言っています。ここで言う天役とは、自分の天職と思える仕事を通じて天に仕えること、社会に貢献すること、すなわち世のため人のために仕事をすることです。仕事を自分自身の金儲けのためや自分の生活の糧を得るためのものだと考えると、人生はつまらないものになります。世のため人のためになることをするからこそ、そこに生きがいが生まれてくるのです。
孔子は「五十にして天命を知る」と言いましたが、これは「天から与えられた自らの使命を知る」ということです。実際、孔子は五十歳にして自分の天命とは世の人を救うことだと自覚して、それまでの修養の時期を終え、実社会での啓蒙活動に入っていくわけです。
SBIホールディングズCEOの北尾吉孝さんの著書。中国古典に造詣が深い経営者で、ライブドア社のニッポン放送買収における、フジテレビ側のホワイトナイトを務めたことでも知られるとのこと。