採用基準

採用基準

採用基準

大きな問題が発生した時に颯爽とリーダーシップを発揮する人や、トラブルに陥った大企業を華麗に再生させる偉大なリーダーを見ていると、そういった人が、自分とはまったく違う資質をもって生まれてきた特殊な人に見えます。しかし、深刻な問題が発生した時に、生まれて初めてのリーダーシップを発揮するような人は存在しません。彼らも最初は、日常的で些細な場面で経験を積み重ね、それが蓄積していざという時の強力なリーダーシップにつながっているのです。
リーダーになるために、神がかったカリスマ性や生まれながらの卓越した能力、溢れるような人間的魅力が不可欠というわけでもありません。リーダーとは何をすべき人なのか、そのためにどう振る舞うべきかを理解し、小さな場面でそれらを体験して成功体験を積み重ねることにより、ごく普通の人がリーダーとして活躍できるようになるのです。

戦略コンサルティング会社のマッキンゼーで採用マネージャを務めていた著者による本。
タイトルの「採用基準」とは、就職の難関企業であるマッキンゼーの採用基準は「地頭力」や「論理的思考力」であると思われている一方で、実際に必要なのは「リーダーシップ」であるということを伝えている。
顧客企業が高いお金を出してコンサルティング会社に依頼をするのは、問題解決の提案書を受け取るためではなくて、「どうすればいいのか、みんなわかっているが、誰も何もやろうとしないために、解決できないまま放置されている問題」を解くためのリーダーシップを求めているからなのだと著者はいう。
そして、上の引用にあるとおり、リーダーシップは特別な少数の人に求められるだけでなく、一人一人が訓練によって身に着けるべきスキルだとする。「ポジションをとり」、「ホワイトボードの前に立つ」ことにより、日常的な場面で訓練を重ねることが大切。
「リーダーシップがなぜ必要か?」や「身に着けると世界がどう広がるか?」というメッセージは、とても納得させられて、頑張ろうという気になる。