創造と変革の志士たちへ

創造と変革の志士たちへ

創造と変革の志士たちへ

僕は「人間的魅力のある人」というのは、自分の感情というものをまっすぐにそのまま気持ちよく表現できる人だと思っている。感情の動きをそのまま感じ取り、自らの欲するままに生きていて、必要に応じて頭脳のスイッチをオンにして、そのロジックをわかりやすく説明していくような人である。僕は、そういう人に人間的な魅力を感じ、ともにいて知的快楽を得るのである。
感情をまっすぐ表現することは、赤ちゃんでもできる。ここで重要なことは、内面を磨き上げたうえで、まっすぐ表現できることだ。
孔子は、それを「心の欲するところに従いて矩を踰えず」と表現した。これは己の感情を表現する際に、心に浮かぶ感情そのものが美しく研ぎ澄まされたものであれば、相手を惹き付けられるほどの輝きを持つ、そういう状態のことだと思う。つまり、内面を磨いて、素直に表現すればいいのである。

グロービスの堀義人さんの著書。
グロービス経営大学院のプロモーションという位置づけもあるのかもしれないけれど、「能力開発」「志」「人的ネットワーク」という三つの要素をベースとして、「創造と変革」を如何に成し遂げるかということを説いている内容は、非常にロジカルで、かつ具体例に富んでいて、勉強になる。
堀さんご自身も、グロービスというベンチャーを立ち上げてから学校法人を作り上げ、「アジアナンバーワンMBAを作る」という目標を掲げておられる。そして、ベンチャーキャピタルを設立してグリーやワークスアプリケーションズなどの会社を育てられている。
グロービス名古屋校の講演を聴講した際の質疑で、ベンチャー創業期の心持ちとして、次のような応答をされていたのが印象に残った。「とりあえずやってみる。一歩進むと景色が変わる。嫌なら戻ればよい。前に進めば出会いがある。突っ立っているのが一番良くない」