1Q84、再読
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/05/29
- メディア: 単行本
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観念の集合体は、善なるものでも悪なるものでもない。
必要なことは、善と悪のバランスが均衡しているということ。
集合体のバランスが保たれるためには、個々人の観念が正しく開放される必要がある。
そしてその行為は、自らを温める記憶に自覚を持った個々人が、内面の部屋の中で執り行う必要がある。
影を持たないある人が、パッシバ(知覚するもの、夢を読むもの)として役割を果たすとき、別の誰かの入り口の扉が開き、部屋に入ることができる。
内面の部屋には、余り長く滞在することができない。
そして入り口の扉を開くことは、危険が伴う。
間違っても、邪悪な意志の体現者に入り口の扉をくぐらせてはならない。
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物語を作る人、物語を広める人は、無意識的な観念の集合体を健全に維持する役割を担う。
このような世界観にあっては、私たちは正しいパッシバとしての物語を注意深く選び、自らに取り込むことが必要となる。