トニー滝谷

村上春樹の同題の短編小説(レキシントンの幽霊 (文春文庫))の映画化。上映館が限られていたので、東京に行ったついでにテアトル新宿で観てきた。
原作は、「文章から想起される映像」が頭にはっきり浮かびやすい作品で、またその(浮かび上がる)光景は想像力に支えられている部分も多いので、実際に映画化にしてしまうと、ちょっとスケールダウンしてしまうところもある。
だけど物語としての喪失感のようなものは、ひしひしと伝わってくるし、主婦役の宮沢りえはなかなか素敵だ。
主演のイッセー尾形の風貌は、村上春樹に通じるものがある気がしたけど、キャスティングにそういう意図はあったのかもしれない。