セントへレンズ→コールズベイ

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08:40-09:40 セントへレンズ→スクマンダー
10:00-13:40 スクマンダー→ビシェノー
14:30-16:50 ビシェノー→コールズベイ
(自転車、118.7km)

7:00起床、8:40出発。昨日までの快晴とは異なり、曇りの天気。東海岸の海沿いの道を走る一日。向かい風のためか、道路の舗装が荒いためか、あるいは緩やかに繰り返すアップダウンがきついのか、あまりスピードが乗らない。

1時間ほどで20km弱を走り、スクマンダーの町に到着。売店でりんごジュースと、パンケーキと、バナナを購入。店の前のベンチでパンケーキを食べていると(食べてみてわかったのだけど、かなり不味い代物だった)、隣に座っていたおばさんが僕に話しかけてくる。聞いてみると「朝食が、そのパンケーキというのは良くない」といっているらしい。本当はキャンプ場でちゃんと朝食を食べた後の、「食後のおやつ」「補給食」だったのだけれど、かたくなに「良くない」と話していたので、うんうんとうなずいておいた。確かにまずかったのであるし。

その後もスピードの乗らないまま南下を続ける。地図によると所々地名が書かれているのだけど、実際には町らしい町もなく、ひたすらに海岸沿いの道を走る。途中、山側の道沿いに、柵で囲われた広大な牧場に牛が沢山見えた。珍しかったこともあり、柵に自転車を立てかけて休憩。(不味い)パンケーキをかばんから出して食べる。しばらくすると、何匹かの牛が柵越しに僕のほうにものめずらしそうに寄ってくる。そこまでは良かったのだけれど、それをきっかけに他の何十匹の牛たちが一斉に僕のほうをめがけて集まり始めた。柵越しとはいえ、かなり壮大な光景。一時期狂牛病騒動のときに、イオン系の店で、「タスマニアビーフ」ブランドが安全と宣伝されていたけれど、確かに彼らは健康的な生活をしているようだった。

14時前にビシェノーの町に到着。リゾート地で、昼食を取ろうとするもレストランはどこも小奇麗で高そうな雰囲気。カフェのようなところに入り、ミートパイ・焼きサンドウィッチ・コーヒーの昼食。その後ツーリストインフォメーションに行き、ナインマイルズビーチの渡し舟について話を聞く。

今日の目的地のコールズベイはフレシネ半島にある。これは半島の先端部をブッシュウォーキングするためなのだけれど、その後にホバートに向けて自転車で走る際に来た道を引き返すロスが発生する。以前に、オーストラリア人の夫婦と自転車で走るルートの話をしていた際に、半島をショートカットできる渡し舟があるのだと、英語版のサイクリングのガイドブックのコピーを見せてくれていた。そのガイドによると、通常40kmかかる行程を、「渡し舟」を利用することによって10kmに短縮できるのだという。

ツーリストインフォメーションに聞くと、地図をくれてそこに印をつけて、ここに行けば乗り場があるとのことだった。自転車で指定された場所に向かってみるが、フェリー乗り場らしきものは何もなく、ただ岸壁が広がっているだけだった。これではチケットの手配もできないけれど仕方がないなと思いながら、そのままコールズベイに向かった。

夕食を買い出そうと町の中を自転車でうろうろしているときに、やはり自転車でツーリング中のサラというカナダ人女性と出会う。彼女は自分とは反対側から走ってきており、今日ナインマイルズビーチの渡し舟を使ってここまでやってきたのだという。やはり、ちゃんとサービスは存在するらしい。

この日はコールズベイのユースホステルに泊まる。日本人のカップルが泊まっているのも見かけた。ロンセストン以来の日本人だった。渡し舟について、宿の人に話を聞いてみると、どこかの企業が運営するようなフェリー船ではなくて、ある人が自分の保有するボートを使って、自転車旅行者を運ぶアルバイトをしているようなものだった。自分は渡し舟の訳として「フェリー」と話をしていたのだけれど、どおりでツーリストインフォメーションのスタッフやサラが、怪訝な顔をした意味がわかった。フェリーなんていう立派な代物ではなくて、まさに「渡し舟」だったのだ。

教えてもらった電話番号に電話をすると、自分の名前と渡りたい時間を尋ねられ、その時間の30分前に再び電話をするようにと指示をされて、予約をすることができた。