加藤紘一

イラクの問題について私は、自衛隊派遣は慎重にすべきで私は反対です。(略)それにこれは一種の宗教戦争ですから、そこの狭間に入って自分を確立していくだけの、宗教的な強靭性を日本の社会はまだ持っていないように思います。

http://www.katokoichi.org/message/text/031226.html

加藤紘一さんはJ-WAVEのインタビュー(03/12/15)でもイラク戦争宗教戦争であると述べていた.米国政府が同時多発テロ以後の軍事行動について「これは宗教戦争ではなくテロとの戦いである」と主張しているのに対して,あえてこのような言及をするのはどんな意図があるんだろうか.
文明の衝突宗教戦争といった枠組みは,世界情勢を理解するための一つの観点としてはそれなりに有効なものなのかもしれない.だけど政策判断を下すためのツールとして用いるのは,いささか危険なことなんじゃないのかな.双方に大義のある争いに巻き込まれるわけにはいかないといった孤立主義的な発想にも聞こえる.
もちろん政権政党国会議員が「様々な利権の絡んだ侵略戦争の戦後処理には加担できない」なんて公言するわけにはいかないだろうし,ましてや「次の政局をにらんだ造反です」なんていうことも口に出せないのだろうけど,せっかく反対を表明するのであればもう少しまっとうな根拠を示して欲しい気がする.