レインボーテクノロジー

sta la sta - A4用紙1枚に256GBのデータを保存する技術
Techworld.com - Storage News - Store 256GB on an A4 sheet

こちらの記事によると、インドの学生Sainul Abideenさんが、A4用紙1枚に256GBのデータを保存する技術を発明したそうです。
Rainbow Technologyでは、テキストや写真、ビデオといったあらゆるデータを『Rainbow Format』と呼ばれるカラフルな丸、三角、四角などに変換してデータ保存するそうで、1平方インチあたり2.7GBのデータを保存可能とのこと。A4用紙で計算すると256GB程度になるみたいです。

1平方インチあたり2.7GBというのが本当ならばすごい。しかし、色や形にも情報を持たせるとなると、「情報の劣化への耐性」が気になる。実現可能なのか?

「情報を印刷する」技術となると、最近ではQRコードが記録密度が高そうだ。

小さな正方形の点を縦横同じ数だけ並べたマトリックス2次元コードで、一辺に21個並べた「バージョン1」から、177個並べた「バージョン40」まで、40通りの仕様が用意されている。
記録できる情報量は、バージョン40の場合で最大23,648ビットである。
QRコードとは 【Quick Response code】:IT用語辞典 e-Words

QRコードの作り方〜セルサイズの設定〜

600dpiのレーザプリンタで0.17mm四方のセルが印字できて、またその程度の分解能のスキャナは存在するとのこと。これは、1インチ(=25.4mm)四方に(25.4÷0.17=)149×149セルを印字できることになる。

各バージョンと最大入力文字数

これは、QRコードのバージョン33に相当して、16,568ビットの情報量に相当する。
rainbow technologyは、同一面積の1インチ四方に2.7ギガビット(=2.7×2^30=)2,899,102,924ビットを記録できるとのことなので、記録密度はQRコードの(2,899,102,924÷16,568=)174,982倍となる。

QRコードはモノクロなので、セル1個あたりの取りうる状態は白か黒の2パターン。これをカラーにして、例えばRGBそれぞれ16階調まで見分けられるとすると、(16^3=)32,768パターンで、モノクロに比べて単位面積あたり16,384倍の情報量を保持できることになる。

ここまでくると、(174,982÷16,384=)10.68倍となる。QRコードは、工場ライン内の生産管理や携帯電話のカメラでの読取などに対応するために、それなりに精度には余裕を見ているはずだ。これを専用のスキャナで精密に読み取れるならば、10倍の精度向上ができるといわれても十分に納得できる(色のプリント・スキャンの品質管理は大変そうであるけれど)。

「A4用紙1枚に256GB」ときいて、「インドの神秘のなせる技か??」と驚いて概算のようなことをしてみたけれど、実は十分に実現可能な技術であるという実感が沸いてきた。