マッキンゼーが予測する未来

  

マッキンゼーが予測する未来―――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている

マッキンゼーが予測する未来―――近未来のビジネスは、4つの力に支配されている

 

こうした資金需要が、世界の人口の高齢化と、長期化する政府赤字の状況と同時並行して起こっており、それが需要の高まりをきっかけに、世界の総貯蓄額を減らす圧力となるだろう。マクロ経済学のファンダメンタルズに基づく伝統的な見方によれば、需要の上昇と供給を減らす圧力という組み合わせの行き着く結果は、一つしかない。それが、これまでよりも入手困難で、高価な資本の時代の到来である。

しかしながら、近年実施されてきた、これまでの慣行には従わない金融政策の実施に夜ttえ、私たちは未知の領域に導かれてしまい、これまでとは異なる、理解しがたい世界の基礎を築き始めてしまったのかもしれない。

マッキンゼー社のマクロ経済データやミクロなインサイトから得られる将来起こる変化の予測を示し、「経験に基づく直感を捨て去り、考え方をリセットする」ことの必要性を説く。

変化には、世界的な都市化によって今は名も知れぬ世界各国の都市が経済の中心になる、イノベーションの頻発によって加速する技術進化、地球規模の高齢化、貿易・金融・人間・データの世界的な結びつき、という既に観測されている事実から、将来に起こりうる変化を示している。

世界中で資本に対する実需が上がってくること、高齢化の進展に伴い貯蓄高が下がること、現在がすでに非伝統的な金融政策によって資本バブルという状況が生じているという洞察から、「いずれ金利が上昇する」か「金利を押し下げるシステムが確立するか」の両方のシナリオが考えられるという示唆が示され、そこへの備えを訴える。

目先の変動ローン金利だけではなく、企業の資金調達や世界的に見た投下資本の偏在など、広い目で見ることが必要。