ブッダガヤ→ガヤ

f:id:gotouma:20060120180720j:plain
日の出を見に行こうと5時に目を覚ますが、前夜から降り続いていた雨が嵐のような状態になっていて断念。7時半まで二度寝をする。Fujiya Greenというレストランに行き、チベット風焼きそばのチョウメンを食べる。久々のチベット料理。あっさりしていて腹に優しい。窓の外を見ると再び嵐の気配があったので、急いで宿に戻る。そして雨、更にはヒョウが降る。

10時半に雨はやみ、両替のために銀行に行く。待ち行列ではスリランカ人の僧と立ち話。$30の両替をする。ルピーを受け取るときに、高額紙幣ばかりだと使えなくて困るという経験を思い出して、10Rsの札束で受け取りたいと係員に伝えるも、そんなことはできないと断られる。それでもしつこく窓口の前に立って粘っていると、係員の男はニヤッと笑って10Rsの札束を渡してくれる。

12時に宿をチェックアウト。朝に続いてFujiya Greenに行き昼食。その後、マハーボーディ寺院に行くが、雨が降り出しそうになったので、すぐに敷地の外に出る。通りで雨宿り。すぐ隣では、やはり雨宿りをしていた掃除夫が、ひっくり返したバケツを叩いてリズムを取りながら、裏声で歌い始める。

雨が上がり、ラッシーの店に行き、バナナラッシーを注文。彼はまだ若く見えるのに、他にも土産物屋を経営して、オートリクシャーを2台経営しているのだという。店の奥を見ると、昨日インディラ氏の家の台所で見かけたのと同じ方の調理用の灯油ストーブが見える。僕は、それを見かけてからインド土産に買って帰ろうかと思っていて、店のオーナーに値段を尋ねる。

すると彼は$50だと教えてくれ、安いものでも1000Rsはするのだという。そして、よければ今から一緒に買いに行こうと誘ってくる。その誘いはありがたかったけれど、まだこれからも旅が続くというのに、そんなに大きなものを抱えて旅を続けるわけにはいかないので断る。僕らが店を出るときに、彼はさりげない風に、相場は300Rs程度なのだと教えてくれた。

その後、骨董品屋を覗く。伊藤は昨日にインディラ氏から買った数珠を店主に見せて、これはいくらぐらいなのかとたずねる。店主曰く「これは安物だから40Rs程度だ」とのこと。昨日、インディラ氏は10倍以上の値段を吹っかけてきていた。彼は数珠を売るときに「この数珠は玉に4つの斑点がついている”四つ目”だから高い。”三つ目”とは違う。」といっていた(ちなみに彼は”よちゅめ”、”みちゅめ”と発音をしていて、妙に可愛らしく聞こえた)。

店を出て、通りでインディラ氏と再会する。彼は僕らをチャイ屋に誘い、チャイを奢ってくれる。そして手に持っていた絵葉書をプレゼントしてくれ、昨日のことを謝ってきた。酒を飲みすぎてたちが悪くなっていたのだといった。僕らは気にしていないと伝える。むしろ色々案内をしてくれたじゃないかと。

そして、僕は「灯油ストーブ」の値段を尋ねる。彼は110Rsで買えるのだと教えてくれた。いったい適正価格はいくらなのだろうか?? そういえば、マハーボーディ寺院で20Rsで購入した絵葉書も、次の日に同じ場所に行って同じ商品を指差して、冗談で5Rsでどうかと尋ねると、売ってやるといわれた。値段に関しては本当に混乱する。

16時になって、インディラ氏に乗合リクシャーを拾ってもらい、ガヤに帰る。彼にさよならをいって、日本に帰ったら写真を送ると約束をする。

ガヤのバスターミナルに帰りつき、歩いて駅前まで行く。ホテル・クラシックに戻り、宿のスタッフからチケットを受け取る。受け取ったチケットは2人で1枚しかない上に、キャンセル待ちの列車だったので、2人は別々の客車に座席が予約されていた。伊藤と2人で客車が違うのに切符が1枚しかなくて大丈夫かと問う。だけど、宿のスタッフは我々のいうことを理解しようとせず、ノー・プロブレムと繰り返すのみ。

僕らはこの頃にはインド人のノー・プロブレムを、まずは疑って掛かるようになっていたので、「切符もなしに、どうやって車掌に説明すればいいんだ」と、更に食って掛かる。そのうちにスタッフの1人は怒り出してしまって、チケットを放り出して立ち去っていく。もう一人残ったスタッフに、オーナーに合わせて欲しいというが、19時にならないと帰らないといわれる。

一旦ホテルを出て、夕食を取り、切符をコピーしておこうとコピーの取れる店を探して回る。結構苦労をして場所を探し出し、無事にコピーをとることができた。19時にホテルに帰るも、彼は20時まで帰ってこないといわれる。そしてオーナーは今日は休暇を取っているのだという。切符に対する疑問を更にしつこく伝え、「もしも何か問題が起こったら、僕らはガイドブックにあなた方のことを投書するつもりだ」とまでいう。すると、スタッフは(半ば呆れながらも)駅の窓口に行って確認するように助言をしてくれる。

僕らは駅の窓口に行き、駅員に切符を見せて質問するも、ノー・プロブレムだといわれる。駅員からその言葉を聞いて、ようやく安心をできた。そして、駅から出ようとするけれど、どうも先ほどまでと比べて、駅周辺がざわざわとして、妙に殺気立っているような印象を受けるが、切符の安心もあって、余り気にしなかった。

1時間ほど駅で時間をつぶした頃に、伊藤はやはり様子がおかしいといって、周りの人に尋ねると、インフォメーションに行けといわれる。窓口で切符を見せて尋ねると、列車はキャンセルされたとだけ伝えられる。あきらめて次の列車を予約しようと窓口に行くと、そこにはホテル・クラシックのオーナーがいた。

彼は、列車事故が発生してダイヤが乱れているのだと教えてくれた。そして、どうせ明日まで列車は動かないのだから、ホテルに泊まれといわれ、一緒にホテルに戻る。そして、僕らをテーブルに座らせてくれて、「明日の列車のチケットを手配してやる」といってくる。列車のチケットに関しては、彼らとは散々言い争いをしたというのに、再び振り出しに戻ってしまった。デジャブ。

僕らはなすすべもなく、素直に彼に切符の手配を依頼する。昼に口論をした宿のスタッフの太った男は、そんな始終を横で見ていて、僕らを見てニヤッと笑っていた。

ともかく、トラブルに揉まれつつも明日の計画も立ち、ホテルの部屋で落ち着く。寝る前に実家に国際電話。どうも電話のつながり具合が悪く、自分は母親に向かって「いまインドで列車の事故のトラブルがあったけれど、自分は無事だから」と、逆に不安に陥れかねないひどい要約で近況を伝えたところで、電話は切れてしまった。まあいいやと、あきらめて就寝。