戦略プロフェッショナル

 

戦略プロフェッショナル[増補改訂版]
 

あなたが経営の状況を見て、それが「相対的」にお粗末なのか、それともマシなのかを判断するには、何かの「基準」がいる。だから、今会社が競争上のどんなポジションにいるのか、まず仮説を立てるとよい。実際に会社の中をのぞいていくと、初めの仮設通りのこともあれば、それとは違う現象に出食わすこともある。そのズレを生み出した原因が何かを社内で探っていくと、その会社の抱えている問題が早い時点で浮かび上がってくるのである。

 まず、社内を見るのではなく、競合や市場をみる。競合ポジションの仮説を立てるうえでは、プロダクト・ライフサイクルのパターンに当てはめることによって想定を得る。

セグメンテーションは日本語で市場の「細分化」と訳されることが多いが、企業戦略論のなかで「絞り」「捨てる」ための道具としてこれほど有効なものはない。絞る対象として何を取り上げるかに追って、事業戦略、開発戦略、営業戦略などいろいろに使われ、ツールとして幅広い応用性を持っている。 事業戦略にかかわるプランニング作業のなかで、セグメンテーションは最も「芸術的センス」「創造性」を問われる。多くの場合、セグメンテーションがうまくできれば、戦略の核になる部分はできたも同然である。

 組織のエネルギーを統一するためには「絞り」と「集中」が必要。絞りとは捨てることであり、そのための道具立てがセグメンテーションとなる。