夢を実現する発想法

夢を実現する発想法

夢を実現する発想法

はやぶさ」も燃料漏れやエンジン停止など様々なトラブルに見舞われましたが、音信不通という大きな危機に陥っていた二〇〇五年十二月、私は東京・台東区入谷にある龍光山照寶院へ初めてお参りに行きました。
通称「飛不動尊」と言い、旅人の守り本尊として知られるお不動さんです。ここで木札を求め、無事帰還、大願成就の言葉を添えて祈祷していただきました。後にいろいろな人から「科学者も最後にはやはり神頼みをするのですか」と聞かれましたが、私は決してそのご利益を期待していたわけではありません。
私たちは理工学者なので自分たちのできることとできないこと、分かっていることと分からないことの境界線をはっきり認識しているつもりです。我われの手の届かない領域を超えてしまえばもう手の打ちようがありませんが、分かっていることに対しては最善を尽くす。
私にとってあの時の神社とは、自分たちは果たしてやるべきことを本当にやり尽くしたかという自己点検を行う場であり、その証を立てるための象徴だったといえるかもしれません。

iPS細胞の開発者とはやぶさプロジェクトのPMとの対談。
「ビジョンを定めたうえで、一生懸命に働く」ことで目的が達成できるという考え方があり、その上で結果を待つという心構えが大切。