青年の大成

青年の大成

青年の大成

そもそも悪は善より感じが深刻です。
善というものは生命の発展に従うものですから、従順な感じです。刺激がない。素直です。
悪というものは生命の本流に抗するもの、逆行するものですから、どうしても感じが強く、身にこたえます。薬でも本当の良薬は生命を助長して副作用がない。効果も遅い。病の局所攻撃をする即効薬というものは、刺激が強く、副作用もひどい。まして毒薬ではたまりません。
およそ人々は善に対してあまり感じません。悪に対して非常に強く感じます。人間も概して悪人は強い。善人は弱い。
悪意と暴力による革命を、いかに理性と道徳的勇気とによって平和的に処理するか。日本的に言えば、革命より維新。これが今後の世界・人類が幸福に進むか、進まないかの岐れ道です。

知識と智慧、人間の本質と属性、50年前の講演録で、取り上げられる題材も時代を感じる内容であるものの、現代に報道されている内容に当てはめてみても、殆どそのまま状況が変わっていないようにも感じられる。