トータル・リーダーシップ

トータル・リーダーシップ 世界最強ビジネススクール ウォートン校流「人生を変える授業」

トータル・リーダーシップ 世界最強ビジネススクール ウォートン校流「人生を変える授業」

ライフネット生命岩瀬大輔さんが紹介をされていたので、購入して読んでみた。
人生を変える方法|ライフネット生命 社長 岩瀬大輔のブログ

調和をもたらす―統一感があって、人から支えられて、柔軟になれているか
「仕事も私生活も含めて一人の人間」としてものごとを考え、人生に統一感が生まれるというのはじつに大きな変化だ。トータル・リーダーシップの旅では、人生の四つの領域に調和をもたらす方法を模索するのと同時に、まわりの人々もそうできるよう手助けをしていかなければならない。そのためには、ステークホルダー全員と話し合っていくべきだ。各領域に集中したいときには、きちんと集中して大事な結果を出せるよう、領域間の壁をコントロールする必要もある。ロクサーヌもイスマイルも、子供たちと絆を深めることに集中できる時間を確保する実験を行った。
本書の大事な目的のひとつは、あなたに気付いてもらうことだ。人の期待を疎ましく感じて反発したりする必要などないこと、各領域の性質が違うからといって調和がとれないわけではないこと、日々果たさなければならない役割が多くても、手一杯にならずに済むのだということに。仕事と私生活のバランスを取る方法は、けっしてトレードオフではない。ビクターもそう語ってくれた。

本書では、「仕事」「家庭」「コミュニティ」「自分自身」の四つの領域を、どれかのためにどれかを犠牲にするのではなく、すべての領域で関係者の満足を得られるようにする方法があるのだということを、ステップごとに実践することで確認できるようになっている。
自分がこれまでにどんな経験を重ねてきて、何を大切だと考え、そのためにどのように物事を進めていきたいのか、各領域の関係者と率直に話し合うことによって、互いを満足させる改善策(プロジェクト)を見つけ出して実践する。これを着実に繰り返すことによって、皆が幸せになることができる。
授業のワークショップを追体験する構成で、しばしば挙げられていたのが、職場でも自宅でも構わずに仕事を続けるアメリカでの仕事の進め方に対して、如何にしてワークライフバランスを守り抜くかという苦労が見て取れる。
日本での会社員の生活は、ここまで大変なものにはなっていないという見方もあるし、形が違っているだけで同様の問題に直面しているようにも感じられる。
トレードオフが解決策ではなく、関係者との対話がキーになるという考え方を覚えておくようにしたい。