Developers Summit 2012(幾つかのセッション)
Developers Summit 2012の幾つかのセッションをサマリ。聞き違いや理解誤り、要約による主旨の取り違えなどあればご容赦ください。
豆蔵の羽生田氏による紹介
◆Project ICHIGAN
広域大災害などの状況でも、迅速に自治体業務を再開できるように、自治体を超えて災害対策・業務継続性を考慮したシステムを提案し、体制作りを支援するボランティアプロジェクト。
「ICHIGAN参照アーキテクチャ(RA)」の開発を目的とする。
※参照アーキテクチャとは、特定の対象領域で使用するように設計された、実証済みのアーキテクチャ・パターン。アプリケーション開発者が設計時に再利用をすることにより、アプリケーション開発を加速する。
◆ICHIGAN RAの目指すもの
- 被災地と遠隔地で、行政システムの相互代用を可能にする
- 避難所管理/安否確認などの被災時システムと、通常時システムの接続を容易にする
◆想定する運用とアーキテクチャ
- 複数の地方自治体をカップリングして、有事に業務代行を可能にする
- 通常時システムと被災時システムをブリッジシステムで接続可能とする
- 「緊急期〜応急期〜復興期」といったモードを定義し、モード間の遷移で機能を切り替える。
- 【17-A-1】「ビジネス・モデル・ジェネレーション(BMG)」の活用とその有効性
筑波大学のTim Clark 氏とITアナリストの今津氏による紹介
◆ビジネスモデル・キャンバス
組織が顧客に価値を届ける仕組みについて、「キャンバス」に落とし込む手法。経営戦略を担当しない一般社員が、模造紙のキャンバスに付箋を貼り、ビジネスモデルを簡単に表現/議論することを狙いとする。IBM・カナダ政府・エリクソンなど各国の組織で使われている。
◆キャンバスの例
キャンバスはビジネスモデルを9の要素に分解して、議論のベースとする。以下はブックオフ社のビジネスモデルの事例。
- 顧客セグメント:本を買う人、本を売る人
- 価値提案:安い本を買える、不要な本を現金化
- チャネル:店舗、Webサイト、宅配
- 顧客との関係:マンツーマン、Web
- 収入の流れ:本の販売、本の買取(マイナスの収入)
- リソース:買取再販システム(均一価格でのシステマチックな購入)
- 主要活動:本を買って、売る
- パートナー:(特になし)
- コスト構造:買取費用、店舗運営費用
- 【17-E-3】オンライン機械学習で実現する大規模データ処理
Preferred Infrastructureの西川氏による紹介
◆Hadoopとビッグデータ
近年は「ビッグデータ・バブル」といえる状況であり、AmazonやGoogleなどのWebサービスだけでなく、GPSや車載センサー、生活インフラ(電力、水道)、ライフサイエンスなど、あらゆる分野で大規模データが蓄積されつつある。
Hadoopは構造化されていない大規模データを、安価なハードウェアで効率よく集計処理するソフトウェア。
◆機械学習
機械学習は、データから、有用な規則・知識表現・判断基準などを自動的に抽出する手法。メールのスパムフィルタリングやネットショップのレコメンデーション機能として実用化されている。
◆Jubatus(ユバタス)
Jubatusは、大規模なデータに対して、リアルタイムで機械学習による分析を実施するためのソフトウェア。2011年10月に、NTT情報流通プラットホーム研究所と、Preferred Infrastructure社によってオープンソースとして公開された。ソーシャルメディアの分析や、サーバ消費電力のリアルタイム推定に応用されている。