ウェブで学ぶ

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

ウェブが「人生を切り開いていくための強力な道具」となるための第一の柱が「ウェブで学ぶ」可能性。第二の柱が「師」や「同志」と出会えるような「志向性の共同体」の可能性。そして第三の柱が「職を得る、生計を立てる」道筋へとつながる可能性。
これら三つの柱は、「自助の精神」に溢れる個人にとっての「人生のインフラ」とでも呼ぶべきものだと思います。
ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

梅田望夫さんとMITでオープンコースウェアに係っている飯吉透さんとの対談の本。
インターネットは距離を越えることができるけれど、それをキャリアに繋げるためにはどうすれば良いかが「人生のインフラ」としてのインターネットの捉え方。

梅田 とにかく重要なのは、ただ勉強しているとか、ただ考えているとかではなくて、何でもいいから実践的なプロジェクトにかかわって、人とつながっていくことなのだと思います。「in the right place at the right time」という言葉があります。「正しいときに正しい場所にいる」こと。僕はこれが人生の極意だと、シリコンバレーで学んだのですが、この「正しい場所」というのは、実践を伴うコミュニティである場合が多いと思います。
大天才を除くほとんどの人は、運や巡り合いに寄って人生が転がっていくものですが、運や偶然をつかむ秘訣とは、誰かの心に印象を残して、大切な時に誘われる能力だと、僕は思っているんです。それを自然にできる場所が、実践を伴うコミュニティなのだと思います。だからそれが職場であれば理想ですが、それが叶わない時はプロボノ活動も良いと思います。
ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)

プロボノとは、専門的な知識や技能を持った人が、無償で社会貢献を行うボランティア活動のかたちを示す。
シグナリング効果のための大学としてでなく、専門的な知識を得たいと思ったときに、第一の柱として「ウェブで学ぶ」ことによって、時間的・金銭的なハードルが随分と下がっていく。
そして第二の柱の「志向性の共同体」というものの登場の意味は大きいのだと思う。