するめ映画館

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村上 なんででしょうね。話自体は単純で、同居している伯母さんが脳卒中で倒れて昏睡状態で、家にいるのが辛くて、十八歳の女の子が夜の街に出かけていって、朝帰ってくるという設定なんだよね。もう一度観たいなぁ、と思いつつ、その機会がまったくなかったわけ。で、観られないなら、自分でそういう小説を書いちまおうと思って、このシチュエーションだけをもらって『アフターダーク』を書いた。小説家って、そういうところは便利なんだ。自分で書いちゃえるから。あれも女の子が渋谷か何かの町に出て、一晩過ごし、朝になって何かが変わっているという話でしょう。
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噛めば噛むほど味が出る地味な映画を紹介するという対談本。
この引用は「若草の萌えるころ HDニューマスター版 [DVD]」という映画についての、村上春樹さんのコメント。
紹介される映画自体は、当然どれも観たことがないものなのだけれど、語られるあらすじと噛みどころを読んで内容を想像する。