いびがわマラソン

いびがわマラソンを走った。
グロスタイムが4時間27分と、自己最短を更新した。これまでに12回フルマラソンを完走して、初めて四時間半を切ることができた。
レーススタートして5kmの地点で四時間半ペースメーカと出会い、17kmまでついて走ったものの、給水所ではぐれて以後は単独行となった。
今回の勝因は30km以後もペースを落とさなかったこと。

あるときパリのホテルの部屋で寝転んで、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン誌を読んでいたら、マラソン・ランナーの特集記事がたまたま載っていた。何人もの有名なマラソン・ランナーにインタビューして、彼らがレースの途中で、自らを叱咤激励するためにどんなマントラを頭の中で唱えているか、という質問をしていた。
その中に一人、兄(その人もランナー)に教わった文句を、走り始めて以来ずっと、レース中に頭の中で反芻しているというランナーがいた。Pain is inevitable. Suffering is optional. それが彼のマントラだった。正確なニュアンスは日本語に訳しにくいのだが、あえて簡単に訳せば、「痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル(こちら次第)」ということになる。たとえば走っていて「ああ、きつい、もう駄目だ」と思ったとして、「きつい」というのは避けようのない事実だが、「もう駄目」かどうかはあくまで本人の裁量にゆだねられていることである。この言葉は、マラソンという協議の一番大事な部分を簡潔に要約していると思う。
走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

これまでは25kmを過ぎると途端に体の節々に痛みが出てきて、それをきっかけとして30kmを過ぎてからは、ただただ失速するのに甘んじていたのだけれど、今回は「痛いのは避けられないけれど、苦しいかどうかは考え方次第」と、上のランナーの言葉を借りて唱え続けてみたところ、見事に失速を乗り越えることができた。
そして、どこかのランニングクラブの人が35km地点で応援の声掛けをしていて、その言葉が「きついのは気のせい!」と、偶然にも同じ趣旨のメッセージだったことにも背中を押されたりしていた。
結局のところ、これまでは痛いと思ったらペースを抑えていたのを、痛いのは当たり前と割り切ったのが大きい。自分のこれまでの練習量だったら、多少の増減があってもほとんどタイムには影響しない…
欲が出てきて、次はサブ4を目指したいと当然思うのだけれど、ここから先はちゃんと練習しなければならない、と気を引き締める。

地点(km) 経過時刻 区間時間 区間時速(min/km)
0 0:00:00 ※スタート行列 1:16
0 0:01:16 0:01:16
1 0:08:42 0:07:26 0:07:26
2 0:14:26 0:05:44 0:05:44
3 0:20:10 0:05:44 0:05:44
4 0:25:35 0:05:25 0:05:25
5 0:31:13 0:05:38 0:05:38
6 0:36:52 0:05:39 0:05:39
7 0:44:26 0:07:34 0:07:34 ※トイレ 1:47
8 0:50:04 0:05:38 0:05:38
10 1:01:13 0:11:09 0:05:34
12 1:12:46 0:11:33 0:05:46
13 1:18:42 0:05:56 0:05:56
14 1:24:22 0:05:40 0:05:40
15 1:30:28 0:06:06 0:06:06
16 1:36:19 0:05:51 0:05:51
17 1:42:25 0:06:06 0:06:06
19 1:54:30 0:12:05 0:06:03
20 2:00:18 0:05:48 0:05:48
21 2:06:14 0:05:56 0:05:56
22 2:12:43 0:06:29 0:06:29
23 2:19:19 0:06:36 0:06:36
24 2:25:23 0:06:04 0:06:04
25 2:31:37 0:06:14 0:06:14
26 2:37:49 0:06:12 0:06:12
28 2:50:04 0:12:15 0:06:07
29 2:58:01 0:07:57 0:07:57 ※トイレ 2:08
30 3:04:21 0:06:20 0:06:20
31 3:11:00 0:06:39 0:06:39
32 3:17:39 0:06:39 0:06:39
33 3:24:45 0:07:06 0:07:06
34 3:32:00 0:07:15 0:07:15
35 3:39:09 0:07:09 0:07:09
36 3:46:23 0:07:14 0:07:14
37 3:54:18 0:07:55 0:07:55
38 4:01:23 0:07:05 0:07:05
39 4:07:58 0:06:35 0:06:35
40 4:14:28 0:06:30 0:06:30
41 4:20:38 0:06:10 0:06:10
42.195 4:27:39 0:07:01 0:05:52