深澤直人:THE OUTLINE
⇒http://www.2121designsight.jp/outline/message.html
⇒http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_7499/
深澤直人さんの展覧会に行く。
輪郭(アウトライン)という概念が思い浮かぶようになったのは、自らの個性とかアイデンティティがモノやデザインにかたちをあたえると思い込み、それを必死になって探した、若い時の迷いから冷めたときである。
無印良品の「壁掛け式CDプレイヤー」だとか、auのINFOBARなどのプロダクトデザインを手がけた方。藤井保さんの写真のパネルを見ると、一層"輪郭"という言葉の意味に納得できる気がしてくる。
- 作者: 深澤直人
- 出版社/メーカー: TOTO出版
- 発売日: 2005/11/10
- メディア: ハードカバー
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そのものの内側から出る適正な力の美を「張り」といい、そのものに外側から加わる圧力のことを「選択圧」という。
デザインは、製品にかたちを与えることだと思われている。しかしそれだけではない。それがかたちを成すための要因をしっかり見せることも、デザインの仕事である。
製品というもの自体に必然性のある"形"を与えるためには、そのモノの存在する周辺状況がイメージできていないと、適切なデザインはできないはずで、そのことを深澤さんは"輪郭"という言葉を使って示そうとしているのだと、自分は理解した。
⇒デザインの輪郭/深澤直人: DESIGN IT! w/LOVE
⇒なんでヒトはコンピュータが動かないからといって文句を言ったりするの?(本当の意味での人間中心のデザイン): DESIGN IT! w/LOVE
僕らは何百万年もかけて社会において他人とインタラクションを行う方法を学び、生物学的に身につけてしまっているのだけれど、機械とのインタラクションに関してはまだほんの数百年、コンピュータに関しては百年にも満たない付き合いでしかありません。
人付き合いに関しては意識をはるかに超えたところ(遺伝子レベル)で身についていますが、機械やコンピュータとの付き合い方はそれこそ個々人がそれぞれ苦労して身につけるほかない状態なわけです。それが人間の行動にあったデザインになっていなければ使いにくくもなるし、イライラさせられるような経験を与えるものになるのは当然なわけです。
プロダクトデザインが、カッコいいモノの形を決めるだけでなくて、"輪郭"を明確化して研ぎすませる行為だと見なせるならば、きっと情報システムにも同じ方法論が当てはめられるはずで、上記ブログ「DESIGN IT! w/LOVE」を読んで、そのことを教えられたような気分になっている。
会場が東京ミッドタウンの隣にあり、並木にはイルミネーションが施されているので(一人で)写真に収めてみた。