「自分へのごほうび」
- 作者: 住吉美紀
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/03
- メディア: 単行本
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「プロフェッショナル-仕事の流儀」に出演している。
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しかし、この香りは季節限定。まだあるうちに、できるだけ嗅ぎたい! だから、歩いていて、金木犀が行く手にあるのが見えると、「金木犀発見、前方接近中!」と体内でアラームのようなものが作動し、自分の嗅覚に気持ちが集中する。さらに、歩道の真ん中を歩いていたのを、一番生け垣寄りの端に「レーンチェンジ」する(まぁ、にじり寄るだけなのだが)。
いよいよ金木犀の前に来ると、思いっきりスピードを緩める。宇宙遊泳のように、動きが大げさにスローモーションになる。鼻を空のほうに上げ、鼻腔を広げ、深く吸い込む。うまく嗅げない場合は、顔を回して、クンクン、クンクンと香りを探す。周りから見ると、アナタは散歩中のネコか、という感じかもしれない。もしも人に聞かれたら、にゃあ、と答えよう。
タイトルのとおりの気楽なエッセイ集なのだけれど、文章がウィットに富んでいて読んでいて楽しい。29歳のオッサン予備軍が手に取るには、タイトルも装丁もちょっと想定読者層から外れている気はするけれど、ブログ記事そのままの世界観は良い。
しかし侮って読んでいると、ヨガに凝っているというくだりでは驚かされることになったりもする。頭で逆立ち…
ヨガのアサナ(ポーズ)の中には、最初は信じられないくらい難しいものがある。頭で逆立ちをするとか、体を腰から前屈して、両足を頭の後ろで組むとか、最初は「えっ、無理でしょ?!」というものがあるのだ。
しかし、毎日「とりあえずやってみる」を積み重ねていると、だんだん身体が順応していき、半年から一年かかるかもしれないが、必ずある日突然、そのポーズができるようになるのだ。
この方は、自分が学生だった頃に土曜朝のニュースキャスターをやっていて、朝の連ドラを見終わって、学校に行かずとも良い休日の予定を立てながらボーっとしている、自由で平和な頃の記憶とリンクしている。
もちろん今でも、土曜の朝の自由と平和さには変わりはないはずなのだけれど、年齢を重ねるごとにまっさらな白紙の晴れ晴れ感のようなものを、少しずつ忘れかけている気もする。"How to treat myself"を意識することは、以外と重要。