セカンドウィンド1

セカンドウィンド〈1〉 (ピュアフル文庫)

セカンドウィンド〈1〉 (ピュアフル文庫)

「次はお前だ、洋」南雲が指示を出した。「途中でトップは順に交代する」
「どこまで走るんですか?」
「気が済むまで」
四人は一列になって自転車を走らせた。
とにかく気分は最高だ。
いつまでも走り続けていたい、と思いながら、洋はペダルを踏んでいた。自転車で走ることは喜びだ。これ以上の喜びを自分は知らないし、今は知ろうとも思わなかった。

サクリファイスに続いて、自転車ものの小説を読んでみる。
サクリファイスが、実業団を舞台にしたミステリー仕立ての小説だったのに対して、このセカンドウィンドは、帯に「青春スポーツ小説決定版」と記されているように、もっと気楽に読むことができる。
サクリファイスの著者の近藤史恵さんは、自身も相当にロードレースを愛好しておられるようで、昨年はツールのシャンゼリゼゴールを生で観戦される程。
むくいぬ屋仮宅: 自転車ロードレース
自転車ジャーナリストの別府始さんに、小説の原稿チェックを依頼される程、設定にも気を配っておられた。
対してこのセカンドウィンドは、そこまでロードレースとしての設定にはこだわらずに、もっと小説の題材として気楽に扱っている。
http://blog.goo.ne.jp/ran_kawanishi2007/c/59f67998ddd1348851ba1e155c8e96bb
もちろん、ノンフィクションではないのだから、どちらが良くて、どちらが駄目かといった話ではない。