熊野古道:八鬼山越え

世界遺産熊野古道に歩きにいく。
伊勢から熊野三山に至る熊野古道は、ハイキングコースとしては1日で歩ききれるものではないので、いくつかのパートに分かれており、今回は尾鷲と三木里の間を結ぶ「八鬼山越え」と呼ばれる約10kmのコースを歩く。
熊野古道伊勢路
ハイキング気分ではあったのだけれど、標高627mの八鬼山をコースに含み、古くからの石畳に苔がむして滑りやすくなっている道のりの10kmは、それなりに本格的な山歩きの道で、12時に歩き始めて休憩を含む5時間半コース。

石畳の道を、三木里側から登り始める。なぜ山道に延々と石畳が?というのは、紀伊山地は多雨の気候で、せっかく造った道が雨で土壌流出したり、シダ植物に覆われて塞がれたりしないためとのこと。重機もなしにこの道を造るのは、きっととても大変。

十五郎茶屋跡のベンチで昼食休憩。登り口の三木里海岸を見下ろせる。

八鬼山山頂付近の展望台「さくらの森エリア」からの、尾鷲側の展望。

昼食に尾鷲で購入して持っていった「熊野古道弁当」。高菜漬けで米を包んだ「めはり寿司」などがうまい。そして、魚と薬草を地味噌で煮込んだという「煮みそ」も、汗でミネラルの失われた体が求めていたものだ。

紀勢自動車道から尾鷲に向かう国道42号沿いにある道の駅で、マンボウの串焼きを食した。
みえ「道の駅」ユーザーズくらぶ:道の駅紹介
さっぱりした味は焼き鳥に近い。

世界遺産エリア周辺の山林の杉の木に施された世界遺産反対を主張するペイント。
世界遺産 熊野古道 反対 - Google 検索
(もし誰かが不当に虐げられているならば、それはオープンに議論されるべきだと思うものの、)一観光客である自分には、気楽に立ち入った見解を述べることは出来ない。
タスマニア原生林周辺のエリアも、オーバーランドトラックのコース上からは、人の手が加わった様子は見て取れなかったのだけれど、すぐ裏側の斜面では林業が営まれているという話も聞いたことがある。難しい問題。