自転車道

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自転車通行環境整備のモデル地区を募集します
愛知県内の4箇所が、自転車通行環境整備のモデル地区に指定されました
桜通(丸の内と久屋大通の間)が「自転車通行環境整備」のモデル地区に指定されたとのこと。これは、自転車と歩行者の接触事故増加の対策として、歩道と自転車道を分離しようという国土交通省の募集に採択されたもの。
名古屋近辺では、これまでは歩道を色分けして作った「自転車レーン」が多く見られていたけれど、これは、脇道があるたびに歩道と車道の間の段差をまたぐ事になったりして、スポーツ車で快適に走れるものからは程遠かった。
最近では、日銀前から若宮公園に至る伏見通で「自転車道」の工事をしているけれど、これもなんとなく「歩道のオマケ」のような整備の仕方に見える。そして古くは星が丘と東山公園の間の東山通は、車道の最左車線が「自転車レーン」だったのが、万博に向けた道路整備の中で、「歩道のオマケ」の自転車道に成り代わってしまっていた。
それに対して、今回の国土交通省のガイドブックは期待できる。「1.自転車専用道の整備、2.車道に自転車レーンを設ける、3.歩道を自転車・歩行者分離する」という優先順位付けとなっていて、タイヤの細い自転車でも快適に走れそうなプランが提示されている(唯一、自転車専用道を原則対面通行と位置付ける点は、高速走行時の安全性の面で問題は残る。都心部とその他幹線道路ではニーズは異なるかもしれないが、自転車同士の正面衝突のリスクを減らす対策が必要)。
自転車道は、歩道のオマケではなく、車道の一部を安全に仕切ったもの」というコンセンサスが出来上がっていくと良いと思う。
写真は、上海市二輪車レーンの様子で、これは自転車と原付が同居しているという問題点を除けば、道路構造としてはかなり走りやすそうだった。

  • 時間の無い「通勤・通学者」の自転車利用を促すには、スポーツ車も含めた、時速30kmでの走行を想定した設計が必要です。そのためには、自転車道を歩道の一部として考えるのではなく、車道の一部として考える必要があると思います。理想としては、車道の最も左端の1車線を自転車道とし、縁石または縁石線など自転車のすり抜けの可能なもので仕切り、自転車も車と同じく一方通行とする方法が考えられます。
  • 上記の方法が困難な場合でも、
    1. 自転車道は車道の一部として整備する
    2. 時速30kmでの走行を想定した設計を行う
    3. 交差点ごとの段差、屈曲などを無くす
    4. 自転車道は道路の両側に設置し、自転車は車と同じく一方通行とする

の4つの基準を盛り込むことにより、より理想に近い自転車道が生まれると考えます。

http://www.tour-de-shinshu.com/newroad/index.html

これは、はてな近藤社長(id:jkondo)が今から7年前に、提唱・署名呼びかけをしていた道路構造の提案で、今回の国土交通省のプランに近いものがある。「時速30kmでの走行を想定した設計」という部分が良い。こういう主張は、黙っていたら絶対にお役所からは出てこないはずだ。
自分もまだ学生だった頃、自転車クラブのミーティングで、「ツール・ド・信州主催者からの署名の呼掛けが届いている」という話を聞いていた記憶がある。その時の自分は、ちゃんと署名を送っていたんだっけか?余り記憶にないので、よく考えもせずにスルーしてしまっていたかもしれない。
一時期、自転車は車道を走らず歩道を走れという法改正の動きがあった。自転車と歩行者の接触事故が社会問題化する中で、最近は鳴りを潜めてきたものの、もしも、そのような流れになっていたら、スポーツ車で街中を走ることは、とても不快な作業になってしまうところだった(車道を走る現在でも、充分に神経をすり減らす作業だというのに…)。
決まった後から文句を言うのではなくて、ちゃんとアンテナを上げておいて、必要なときに声を出していくことが必要だ。