The Art of Project Management(その3)

⇒前回の記事:The Art of Project Management(その2) - gt-uma

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

マイクロソフトで仕事をする著者や、その同僚の話を通して、プロジェクト・マネージャは何をしているのかを説明。

9.5.2 メンバーがベストを尽くせるように支援する理由
昔、私がWindowsチームにいた頃、自分の時間すべてを、他のメンバーの作業支援に使っていると感じていたことがありました。当時の私は(直接報告を受ける立場の)マネージャになってまだ日が浅く、メンバーの作業の火消しを手伝ったり、アドバイスを与えることに奔走した挙げ句に疲れ果て、一人になりたいと思うようになったのです。
そして私は、自分が何故他人のオフィスで長時間過ごしているのかを考えるようになりました。
私がチームメンバーと行っていた対話は、別世界のことでも昔話でもありません。それぞれの対話は、プロジェクトの目標と直接関係したものだったのです。この重要性は、優れた人間関係を築くという抽象的な重要性を超えたものなのです。私は、立ち話で質問に答えたり、他の組織と交渉を行ったり、もっとリソースが必要だとチームのために主張するたびに、開発者やテスターがプロジェクトを前へ進めようと行うことに匹敵すること行っていたのです。

これは、プロジェクト・マネジメントにおけるコミュニケーションの意義。

10.4.1 ファシリテーションの技芸
彼はものも言わずに、疑問を箇条書きにし始めました。3つ目の疑問を書き始める頃には、全員が議論を止め、彼のすることに静かに見入っていました。彼は疑問の一覧を書き終えたあと、書いた内容に間違いがないかどうかを参加者全員に問いかけました。そして全員がこくりと頷きました。彼はその後、それらの疑問にひとつずつあたっていったのです。それでも議論は起こりましたが、問題が体系化されていたため、その時間は劇的に短縮されることになったのです。この時、ハディは自らの意見を述べませんでした(彼にも彼なりの意見があったということを私は知っていました。)彼は自らの意見を主張するのではなく、我々が同意した疑問を用いて議論を先導してくれたのです。そしてこれがファシリテーションの技芸なのです。
ファシリテーション(名詞):ものごとを容易に、あるいはさらに容易にする行為のこと。
優れた打ち合わせというものは、参加者の誰かがファシリテーション術を心得ている場合にのみ実現できることなのです。

そしてこれは、コミュニケーションの各論として、打ち合わせにおけるファシリテーションの説明。自分の周りで、一緒に働いている人々を見回してみても、確かに仕事を前に進めていくタイプの人は、こういうことを自然にこなしている。
この本の著者に限らず、マイクロソフトの出身者の書いたものは、キャラクターが表に出ていて興味深い。
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Life is beautiful