ヒューマン2.0
ヒューマン2.0―web新時代の働き方(かもしれない) (朝日新書)
- 作者: 渡辺千賀
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2006/12/08
- メディア: 新書
- 購入: 9人 クリック: 143回
- この商品を含むブログ (218件) を見る
シリコンバレーは、常に努力し続けない人は捨て去られる場所。レイオフが常態化した中では、「継続的に努力し続ける」ことの重要性を否が応でも気づかされる。努力しないと、ひどい目にあうからだ。裏を返せば、これこそ、究極の「努力が報われる社会」。
雇用が安定した会社で「今の職場では、一昔前の技術しか求められていないから」と安穏としていると、あっという間に取り残される。そのときは楽でも、突然レイオフされたときに次の仕事がない危険が高まる。
シリコンバレーでフリーランスとして働く著者が、そこでの「働き方」を紹介しつつ、政治・地理・言語の障壁が取り払われてゆく世界でのモデルにもなりうるという「働き方2.0」の考え方の提案。
・オープンソースな人になる。
・多くを期待される場に自分を置く。
・理論上の「本当の自分」を探さない。
など、そこで必要となる「ルール」を示しながらも、単純に別世界の「オトギバナシ」としても面白い。
「レイオフは当たり前で、それを織り込んでライフプランを建てる」という働き方の波が、日本でも標準となるとしたら、これは面倒くさいだろうなと思う。だけど「皆がその状況ならば」という日本人的な横並び指向で考えれば、それはそれで興味深い世界と捉えられるのかもしれない。
⇒On Off and Beyond | [渡辺千賀]テクノロジー・ベンチャー・シリコンバレーの暮らし