それでもこれからもずっとプロが株価予想を続ける

金融日記
筆者は外資投資銀行クオンツ

>現代ポートフォリオ理論ではランダムウォークってのは分かった。でもファンダメンタルズ分析もテクニカル分析も意味ないならプロのファンドマネージャーってどうやって利益あげてるの?
結論から言うと、このようなプロ集団の成績は散々たるものです。もちろん、よい成績のファンドもありますし、悪い成績のファンドもあるのですが、平均すると、市場インデックスを下回っているのです。
金融日記:プロの運用成績は平均すると猿以下

(出所はわからないけれど)ある研究によると、(プロのファンドマネージャに運用される)投資信託の運用成績は、平均すると市場全体の騰落率よりも、投信自体の運用手数料分だけ低い利回りになるのだという。
これが本当だとすると、インサイダー情報なしには裁定取引は存在し得ないという「効率的市場仮説」は的を射た仮説なのだということが納得できる。

高給取りの投資のプロを首にして、素人に投資させたとしたらどうなるでしょうか。最初のうちは素人もプロと同じような運用成績をあげるでしょう。ところが、プロをどんどん首にして、市場参加者の大半を素人にしたらどうなるでしょうか?
実はそのときは、市場で少数派になってしまったプロが投資でコンスタントに勝ち始めます。それは、市場参加者の大半が素人になると、企業の価値をまともに計算して投資できる人がいなくなってしまい、結果として市場の効率性が損なわれていくからです。市場の効率性が低下すると、本来の価値から価格が乖離したままの銘柄が頻繁に現れるようになるので、プロの分析により割高な銘柄や割安な銘柄が簡単に見つかるからです。
金融日記:それでもこれからもずっとプロが株価予想を続ける

筆者によると、インデックス型ではないアクティブ運用型のファンドというのは、必死に利益を得ようと予測をすることによって、市場の効率性を実現させる役割を果たしているのだという。
終わりなく走り続けるコマネズミの様な話であるけれど、この説明は納得ができる。そして、こういう(健全な)考えのファンドマネージャが多数派であるのだとしたら、金融市場というのは案外ロバストなものなのかもしれない。バブルとは、こういう人々が少数派になるような状況をいう?