東京するめクラブ
- 作者: 村上春樹,都築響一,吉本由美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/05/09
- メディア: 文庫
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人は大阪で笑い,名古屋を笑う
「ちょっと変なところにいって,ちょっと変なものを見てまわろうじゃないか」という趣旨の下で,名古屋・熱海・ハワイ・江ノ島などが取り上げられた旅行記.
その第一章で「魔都,名古屋に挑む」と題して,抹茶小倉スパゲティー,あんかけスパゲティー,モーニング・サービス,名古屋清水口の美宝堂,変なラブホテルなど,訳の分からない文化が色々と紹介されている.
それとは別に,名古屋は車での移動が中心だから,街としての連続性がない(ひとつの場所で1日過ごすことが出来ない).また実家暮らしが多くてひとり暮らしが少ないから,「街が居場所になる」というようなことがない.だから「(集まれる場所がないという意味で)名古屋の青少年はこの街にいたら割に孤独なんじゃないのかな」というコメントと共に,「物語性を拒否した場所で,都市としては失敗作」だと,(結構酷い)定義づけをされてしまっている.
去年茨城に住んでたとき,就職活動で東京に出たりしたときの帰りなんかに,(たとえば中野から東京駅までだとかを)延々と歩き続けたりしていたのだけど,名古屋で同じことをやろうという気にはならない.なんというかのっぺりと平らに続いていてだだっ広い碁盤状の道路をいくつも超えて歩くというのは結構気がめいりそうだし.
名古屋人的な目線で見てみると,ちょっと的外れなところもあるにはあるけれど,(苦笑いしながら)フムフムと読んででいると中々面白い.