血液型

血液型による性格判断を扱うテレビ番組が、今春から増えている。(略)、NHKと民放が設立した第三者機関「放送倫理・番組向上機構BPO)」には、視聴者から(略)抗議が4月以降、50件以上寄せられた。このためBPO青少年委員会は(略)、近く民放各社に対し、番組制作にあたり慎重な対応を、と要望する。

血液型番組:「性格決めつけ」視聴者から抗議相次ぐ

ようやく,こういうニュースがでてきてホッとした.(別に自分が「いかにもA型だ」と納得されるのに,ささやかなあきらめ感を持っていることとは関係なく,)やっぱり,幼稚園児を血液型別に分けて,その行動を観察して安易な類型化をするという企画は,「似非科学」のレベルを超えてちょっと空恐ろしい気がしていた.
でも,

立命館大佐藤達哉助教授(社会心理学)によると、血液型性格判断は80年代にブームになった。学者らが「統計上の違いはわずか。科学的には何も実証されていない」などと批判し、沈静化したが、再び雑誌などが取り上げ「大衆の常識のように定着してしまった」という。(同記事)

80年代の学者のコメントにも問題がある.「統計上の違いはわずか」という表現はちょっと違和感を感じてしまう.統計学的にいって「わずか」な違いとはいったい何なのか.「有意差があるかないか」という以上のどんな情報が「統計上」分かったというのか?母集団はいったいなんなのか?適切なサンプリングを行ったのか?サンプル数を増やせば有意差をでっち上げることは簡単なことなんではないのか?
話題としての血液型は,嫌いではないけれど,テレビでもっともらしく言うのはやはり違和感がある.でもそれと同時に,安易に「統計」を持ち出すのも同じぐらい危険だし,違和感を感じる.