裁判員

重大な刑事裁判の審理に市民が参加する裁判員制度法案で、政府は27日、思想・信条により裁判員になることを望まない人は辞退可能と政令に明記する方針を決めた。(略)具体的には裁判員候補者が「人を裁くのは自分の良心に反する」「死刑制度に反対なので死刑になりそうな事件の裁判にかかわりたくない」といった場合を想定している。ただ、選任手続きで単に任務を敬遠したい人と、思想・信条を理由とする辞退を区別するのは難しいとみられ、幅広い市民参加を求めていく上で課題になりそうだ。

裁判員制度、思想・信条での辞退可 政令に明記へ

思想・信条を理由に裁判員を辞退できるということ自体は良いことなのだろうと思う.だけど,たしかにそれを区別することは相当に難しそうですね.
「できることなら他の人の罪を裁くことはしたくない」という気持ち(あるいは信条)は,程度の差こそあれ結構多くの人が持っているんじゃないかという気もする.もしそうだとしたら,法律の運用次第では「人を裁くことに何ら抵抗を感じない人々」だけが裁判員に選ばれることになって,結果的に偏った審理が横行してしまう事態も生じうるのかもしれない.無作為抽出で裁判員候補者を選出する意味がなくなってしまう.
ひょっとしたら,信条を理由に辞退を選択する人に対しては,何らかの代替的な義務が課せられる必要があるのかもしれない.ちょうど良心的兵役拒否を選択する人に奉仕活動が義務付けられているように…
ニューオリンズ・トライアルも見てみたい.