NJP→ガヤ

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6時過ぎ、車内で目覚め、売り子からコーヒーを買う。昨日買っておいたサモサとバナナの朝食。13時列車は予定通りパトナーに到着。すぐに切符を求めてBooking Office に行き、ガヤ行きの列車の予約をしたいのだがと窓口の係員に伝えるが、2階のReservation Office に行けといって相手にしてくれなかった。しかし2階への階段にはシャッターが閉まっていて入れない。

手がかりを求めて駅の中を歩き回っていると、立入禁止の場所にはいってしまったらしく駅員から注意される。ちょうどいいと思って相談すると、ガヤまで行くのにReservation Ticket を買う必要はなく、Passenger Ticket のみでよいのだという。再びBooking Office にいってさっきと同じ係員にPassenger Ticket をくれという。係員はReservation Tic+E108ket じゃなくていいのかと確認をしてきた。僕らが切符の種類をよく理解していなかったのが悪いのだが、それくらい教えてくれたっていいじゃないかと思う。
昼食を取りに町にでる。しかし駅前通に出ても人通りが疎らでバスやリクシャーさえ見あたらない。そして通り沿いの店はどこもシャッターを降ろしている。 今日は日曜日じゃないのに、、、ひょっとして昨日終わったはずのホーリーが続いているのか?ホーリーとはヒンドゥーのお祭りで、大人から子供まで色水を掛け合うというひどいイベントだ。街によっては色水だけでなくドラックも町中に出回り、外国人が歩き回ると危険との話も聞いていたので、AirIndiaの機内誌で日付を確かめておいたのだ。

大通り沿いの店は全部閉まっていたので、マーケットの方にいってみる。営業している定食屋があったのでマトンカレーの昼食をとる。周りには大量のハエ達、そしてスプーンがなかったので初めて右手を使って食べてみる。むかえの席に座った男が話し掛けてきた。はじめは世間話をしていたのだが、そのうち自分の経営する宝石屋を見にこないかといってきた。カルカッタ以来の怪しい誘いだったが、暑くてめんどうくさいので当然無視する。

17時までホームで待ち、到着した列車に乗り込む。ローカル列車には初めて乗ったのだが、長距離列車と比べて設備がひどかった。車内にはビーナッツの空が散乱していて、シートは木製。そして車内灯は全部はずれてしまっている。発車を待ってシートに座っていると、しばらくしてトランシーバーを持った制服の男が窓越しに話し掛けて、何やら警告らしきものを受ける。何を言っていたのか理解できず不安になる。

そのうち列車は走り出し、田園風景の中を進んでいく。窓から見える夕日はすばらしかったのだが、日が沈んでしまうと車内は真っ暗になる。しばらくして4・5人のインド人が僕らの座席に座ってきた。昼間だったらなんてことはないのだけど、真っ暗な車内でインド人に囲まれると訳もなく不安になる。そのうち一人がいろいろと質問をしてきた。「君は学生なのか?」「どんなアルバイトはしているのか」「アルバイトの月給はいくらか」、、、

家庭教師のアルバイトで月収$250というのは、ルピーの物価感覚に直すととんでもない価値を持ってくる。単純に換算すると10000Rs。彼らの数ヶ月分の給料に相当していてもおかしくない。何かとんでもない誤解を与えてしまいそうだと思って、いかに日本の物価が高いのかを説明する。宿舎の家賃、米1kgの値段、、、それは確かに高いと彼らも納得する。「Jap、Jap、Jap、、、」男がぶつぶつとつぶやいている。反日感情でも芽生えさしてしまったか、それとも次なる日本についての質問を探しているだけなのか判断がつかず、ヒヤヒヤする。

そんなことをやっていると、突然窓に石か何かがぶつけられたような音が聞こえる。隣にいたインド人達もきょろきょろして、僕に雨戸を閉めてもっと奥の方に座るように注意する。いったい何が起こったというのだ?ただの子供のイタズラなのか、それとももっと意味のある行為だったのか。結局最後まで事情は分からなかったのだが、ガヤ行きの列車の中では車内の暗さも相まって始終不安な気持ちだった。

21時に無事ガヤに到着。すぐに一人の客引きがつきまとってきたのだが、今夜は駅構内にある簡易宿泊施設、Retiring Roomに泊まろうと決めていたので無視して受付を探す。しかし窓口をたらい回しにされたあげくに宿泊することは出来ずに、結局僕らの後をずっと付けてきた客引きに連れられてHotel Classic に向かった。

ホテルの親父は、僕たちが到着するとすぐに部屋に案内してくれて、料金の交渉もスムーズだった。またもう22時近くだったのにすぐ夕食の準備もしてくれた。日本では当たり前の対応なのかもしれないが、インドではここまで気を使ってくれるサービスは珍しい。そうやって喜んでいると、夕食を取っているところに親父がやってきて、頼んでもいないのにガイドブックの切り抜きを見せてきた。そこにはこのホテルのオーナーはとても親切で信頼できるといった旨が書いてある。まあ確かにその通りなのかもしれないが、露骨に主張されると逆に疑わしくなってしまう。だが、この手の「信用の押し売り」には、主要観光地では実に頻繁に行われている。