ダージリン→NJP

f:id:gotouma:20170505235548j:plain
6時半起床。部屋で朝食を取り、これから先は不要になるだろう上着類を部屋に残してチェックアウト。親父と写真を撮り、トイトレインに乗る。トイトレインとはダージリンとシリグリーを、ジープなら4時間の行程を8時間かけてコトコトと走っていく観光用の小さな蒸気機関車である。8時間も乗っているのはうんざりなので一区間だけ乗ってグームで下車する。

トイトレインを眺めるのに絶好のポイントであるバタシアループまで歩いていく。途中何度もジープに追い越されたのだが、ダージリンを走るジープは下り坂ではガソリン節約のためエンジンを切ってしまう。だから、後ろから走ってこられても、気がつかないで怖い思いをしてしまう「プリウス現象」が発生してしまうのだ。途中から線路の上を歩いてバタシアループに到着する。

バタシアループはきれいな公園になっていて、展望も開けているのでちょっとした観光スポットにもなっている。インド人の若者たちがグループでやってきて記念撮影をしていたりする。そんな中に三脚に望遠鏡を据え付けてたたずむ何人かのインド人たちがいた。何をやっているんだと不思議に思ったのだが、しばらくするとこっちへ来いと呼ばれた。すると望遠鏡をのぞかせてくれて、あれが日本寺だと言って教えてくれた。

礼を言ってそばの芝生に座っていると、そのうちにインド人の家族連れが彼らのところにやってきて、お金を払って望遠鏡をのぞいていた。ここでやっとわかった。彼らは望遠鏡ガイドを商売にしていたのだ。インド人が代金を払って、外国人旅行者の僕たちがタダで見せてもらうというのも何か奇妙な話だった。その後また線路を歩いてグームの町まで帰り、30分ほど苦労した末にシリグリー行きの乗り合いバスに乗車する。

バスは窓がはずれてしまっていて、揺れも激しかったが、酔い止めのおかげで風を受けながら心地よく景色を楽しむことが出来る。5時間ほど走ってすっかり平野部に降りた頃には林を構成する植物も様変わりして、空気もムッとしていた。再び下界に降りてきたのだと実感。シリグリーでは初めてサイクルリクシャーに乗る。料金交渉は二人でRs30に落ち着く。NJPまでは5kmほどだったのだが、料金の相場がよく分からない。

代金を払う段階になってバクシーシを要求されたが、無言で目を見つめてやると、以外にあっさりと引き下がった。4時頃駅に着く。10時発車までざっと6時間ほど時間があるので、ホームでひたすら文庫本を読み時間をつぶした。日が暮れた頃、客引きに連れられた屋台でターリーを食べる。屋台でターリーを食べるのは初めてだったが、なかなか旨かった。空には満月が浮かんでいる。それを見て今日がヒンドゥーのお祭り「ホーリー」の日であることを思い出す。仏教の世界にいたためか全く気がつかずに1日終わってしまった。