リンビク→ダージリン

f:id:gotouma:20060120202121j:plain
5時に起きて、ドイツ人カップルと共に乗り合いバスに乗る。ザックはバスの屋根に積み込むのだが、ちゃんと固定されているかどうか女の人が不安そうに確かめているうちに、バスは我々を乗せないまま発車してしまう。100mほど追いかけるとバス停の前で停車していた。峠道をバスは下って行くのだが揺れ方が半端ではない。酔い止めの薬を飲んでいなければどうなっていたことか。バスには通学途中の学生、大きな麻袋をいくつも積み込んで乗る人など、まさに生活の足と行った感じである。そして彼らはどれほどバスが揺れようとも気にせずにおしゃべりをしている。

ダージリンの町が近づくにつれて、道の両側に建物がちらほらと見えてくるのだが、インドの建築の適当さ加減にびっくりしてしまう。基本的に鉄筋コンクリート造りなのだが、多くの建物の屋根からは鉄骨が飛び出していてそこに洗濯物がかけられていたりする。また、建物の一階部分を取り壊して柱だけになっていたりするのに、その上の階にはふつうに人が住んでいたりする。そしてあらゆる建物は急な山肌に建てられているので、地震が起こったらなどと想像すると恐ろしくなる。やはりダージリンの町並みは遠くから眺めている方が美しくて良い。

11時にダージリン着。Buddist Lodgeに帰ると、宿のおっちゃんが預けておいた荷物と洗濯物を笑顔で渡してくれる。そして、窓のついた明るい部屋に案内してくれた。念のために料金を確認するが、前と同じ料金でよいといってくれた。Kunga Restaurant にゆき、Fried Rice とSpring Roll を注文する。Spring Roll とはその名の通り春巻きのことだった。昼食後駅に行きパトナー行きの切符を取る。係員の対応はひどい。そして渡された切符は小さな厚紙に行き先が印刷されていて、その裏に名前、列車番号と座席番号が走り書きされているだけの頼りない代物だった。こんなので本当に予約がされているのかと不安になる。

宿に帰ると、伊藤が自分の持っている2000円のシュラフとショールを交換したいのだがどうすればいいかと宿の親父に相談に行く。すると親父はマーケットに行って売ってきてやるという話になったのだが、結局売れずに戻ってくる。じゃあシュラフをあげるよというと、親父がショールをプレゼントしてくれるという話になり、3人でマーケットに行き、Rs80のショールをプレゼントしてくれた。そしてその後、ABC Restaurant に行って"ラクシー"という日本酒風の酒と、チベット名産の餃子風の"モモ"をごちそうしてくれる。さらに宿に帰ると、Rs30のダージリンティーを2包みプレゼントしてくれた。

シュラフが$15という事実が彼を驚かせてしまったのだ

Buddist Lodge の宿泊費がRs150に対して、シュラフは約Rs600。だけど、決して日本から持ってきた安物のシュラフや、子供だましのレーザーポインターが、インドの小綺麗なホテル1泊と比べて何倍もの価値を持っているわけではないのだ。日本とインドのダージリンでは全く別の経済システムが動いているに過ぎないのだ。その2つのシステム間の水圧差があまりにも高いものだから、僕らは金を持った外国人旅行者になってしまうのだ。