サンダクプー→リンビク

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5時半に起きて、外に出る。丘に登って日の出を見る。カンチャンジュンガは昨日よりも間近に見えてスケールが増す。別の方角を見ると小さくエベレストも見ることが出来る。そしてすぐ下を見ると何軒かの建物の建つ丘の下には雲海が広がっていて、空中都市を思い起こさせる。とにかく最高の景色でフィルム1本分を一気に撮影してしまう。朝食を取り7時半に出発。外はすでに霧が立ちこめている。景色が楽しめるのは本当に朝のひとときだけというのは、とても残念である。

昨日までとは違い、道は細いハイキングコースだった。最初の頃、道は雪に覆われ、松の木が寒々しい風景だったのだが、せっせと下っていくと徐々に植物にも変化が見られるようになる。途中から下りの勾配が急になり、足に負担がかかる。3時間ほどすると森の木々が切り倒されているのが目立つようになり、しばらくして大きな岩になにか文字が書かれているのを見つける。グルダムの町の入り口の標識のようだった。

食堂を探すが、見つからないままに町を通り過ぎてしまう。チョコレートを囓って疲れと空腹をいやしながらひたすら先へと進んでいく。12時、ようやくシリグリの町に着き食堂に入る。Fried Rice と一緒にBoiled Potato with Butter を注文すると大きな皿一杯のジャガイモが出されてきて驚く。昼食を終えるとすぐ橋にたどり着き、それを渡ってからは道は谷間を徐々に標高を上げながらまっすぐにのびていく。

だんだん地元の人とすれ違う回数が多くなり、学校帰りのようにも見える子供たちとナマステと挨拶を交わしながら進んでいく。谷間の山肌は、びっしりと段々畑で埋め尽くされていて、土壌流出を心配してしまう。谷の向こう側にもこちら側と同じように一筋の道が延びていて、ちらほらと建物が建っているのが見える。さっき橋を渡ってから2時間ぐらい歩き続けているが、谷の向こう側に架かる橋はない。すぐ向こう側に見える家に行くのにいったい何時間かかるのかと考えると、スケールの大きさを感じる。

3時過ぎにShelpa Tenjing Lodge着。ダージリンからJeepで一緒だったドイツ人のカップルがすでに到着していた。夕食の時に、Tibet風のビールであるトゥクパをのむ。これは何か穀物を発酵させたものがアルミの独特な入れ物に詰まっていて、それにお湯を注いで竹のストローで飲むという変わった飲み物である。確かにビールの味はするのだが、あまり好きにはなれなかった。