古事記ーまんがで読破
登場人物の行動が理不尽だけど、何かの根源に迫る神話の世界。解釈としての一般性はよく分からないけれど、ストーリーの解説として納得感があった
20歳のときに知っておきたかったこと
20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
- 作者: ティナ・シーリグ,Tina Seelig,高遠裕子
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2010/03/10
- メディア: ハードカバー
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後から見ると、ほとんどの出来事や発見は、焦点があったように明確になります。自分のキャリアは、フロントガラスではなくバックミラーで見ると辻褄が合っている、とランディ・コミサーは言っています。この見方は、たいていの人にあてはまります。自分のキャリア・パスは、振り返ってみると、ちゃんと筋道が通っているのです。でも、将来の道はぼやけていて、不確実なことの連続です。視界が開けないとイライラしてきます。それでも、大きなチャンスが巡ってくる確率を上げるように行動することはできるのです。
ランディ・コミサーは、どうやってキャリアを築いていくのか、膨大な時間を使って考えました。そうして得られた知見は説得力があります。共に働く人の質が最適になるようにキャリアを考えなさい、とランディは言います。そうすれば、巡ってくる機会の質が上がるというのです。
スタンフォード大学のアントレプレナーシップの講義録。如何にリスクを評価し、必要なリスクをとるかということの価値を伝える。
CRMの基本
CRMを戦略として捉えるにあたって重要になる指標が顧客内シェアという考え方です。「顧客内シェアを広げる」とは、一人ひとりの顧客が1つの分野の商品・サービスに使う金額の中で、競合他社よりも多くの金額を獲得することです。
CRMの基本的な捉え方としては、「売上の内訳を顧客別に識別し、識別した優良顧客を維持・育成・獲得していくことによって、経費効率を上げていくこと」になります。
企業でCRMを担当している多くの方から、「いろいろと分析軸を入れているが、次のアクションにつながらない……」「顧客をセグメントするよりも、すべての顧客にコンタクトしたほうが、結果につながりやすいのではないか……」という話を聞くことが多いのも現実です。
また、「そもそもデータベースが複雑になりすぎて、リソースを割くことができない」「現場感覚を重視した顧客セグメントを実施しているため、正しいかどうかの検証もできない」「データの取得もままならず、顧客分析以前の問題」など、企業の状況はさまざまなので、ひと言では片づけられない難題であることも事実でしょう。
CRMとは、顧客へのアプローチを考えるマーケティングそのものではなく、リレーションシップマーケティングを実現するための仕組み、経営における選択と集中を実現させるための仕組みなのだという本書の整理によって、事例やキーワードがつながって理解できる。
ザ・会社改造
彼らは自分が背負った新しい任務を正確に認識して、自分の能力が足りない点が何かを自覚し、初めからそのギャップをしっかり埋める行動に出た。それが「覚悟」というものだ。
困難な状況の中で彼らの覚悟を支えたのは、いずれも謙虚に考え抜く姿勢ではなかったか。それには経営リテラシーの高さとフレームワークが必要だ。それが明快なストーリーを生み出す。そのストーリーが周囲に伝わり、皆が熱くなってついていくのである。
どんなジャンプでも、《ポジション矮小化》を早々に解消し、やがてポジション以上の役割を発揮するようになることが大切だ。
著者は、金型部品・FA部品・生産設備に関する商品を製造・販売する会社であるミスミを大きく育てた経営者。本書は、ミスミという会社を急成長させるまでの取り組みが小説仕立てで紹介されている。
紹介されるテーマは、ABCを導入しての原価把握に基づく商品戦略の実現、中国市場への参入、トヨタ生産方式による生産改革、コールセンター改革など、どれも地に足の着いたテーマであり、それを成功させるためには、共通して戦略の重要性が語られる。
会社改造の取り組みは、「問題の本質」「改革シナリオ」「アクションプラン」がシンプルな言葉で表現され、共有されることで、初めて実現される。
本書の駿河精機社長のモデルとなった高家正行さんの講演を聴講したことをきっかけに、本書を読んだ。高家さんは、成長戦略を実現するためのフレームワークを示されたうえで、「胆力と冷静な観察眼」「リスクの事前の摘み取り」「Early Successの仕込み」というキーワードを示され、如何にして改革を成し遂げるかを話されており、本書にも通じるものがあった。
カムパネルラのつぶやき
「先生は、CIGSとか宇宙太陽光とか、いいこと尽くしみたいに言ってたじゃないですか。でも、それって違うじゃないですか。どんなものにだって必ず悪いところとか、欠点がある」
「俺が言いたいのは、安全だとか最先端技術だとかいうことに踊らされて、あとでひどい目に合うのはもうやめませんかってことなんですよ」
「忘れないことが大事なんですよ。忘れてしまえば、また目先の効率ばっかり求める危険なものをつくり出すんですから。人間は…」
エネルギーフォーラム小説賞の第一回受賞作品。茨城県の電気設備制作会社に勤める主人公の、仕事と私生活との成長を、ラジオ番組とtwitterという道具を使いながら描かれる。
静かに物語が進むが、結末が前向きで良いと思った。
AI白書2017
第1章7節(136ページ)までと、安宅和人さん・冨山和彦さんの寄稿を通読。
IoT化の進展とAI技術の急速な進化によって、デジタル革命で実現する機能がリアルでシリアスな世界に滲み出し、そこでも破壊的な影響を及ぼす可能性がある。主戦場はソフトの世界やネットのバーチャルな世界ではなく、よりリアルでフィジカルな領域、すなわち自動運転や医療、介護のような人の命に関わる「シリアス」なビジネス領域「Sの世界」に移る。
(略)
その影響が従来よりもはるかに広い範囲に及んだ時、そこで活動している既存の企業、そして個人は大きなピンチとチャンスに同時に遭遇することになる。
冨山さんの寄稿の趣旨は、「Sの世界」はものづくりの技術の連続的な蓄積が意味を成す領域であり、日本企業が注力すべきポイントという点と、その裏返しで現在のGAFAや中国企業の躍進に対して後塵を拝している現状について、悲観してばかりいる必要はないというものと理解。
白書で示されている技術動向を見ても、ディープラーニングの実用化には(インターネットの進展と計算能力の向上によってようやく実現可能となった、)大量のデータ準備と大量データ処理によるところが大きく、力業が求められる部分も大きいと感じる。だからこそ、正しく投資すべき領域を見極めることが重要になるのだというメッセージを受け取る。
また、TensorFlowやChainerなどのディープラーニングのフレームワークだけでなく、Lnked Open Dataとしてデータセットを利用可能とする取り組みがあり、また、ImageNetの画像識別やWord2Vecの日本語解析の学習済みモデルが公開されていて、公開モデルをベースに自用途に必要なチューニングを施す転移学習の仕組みがあることも知る。
力業に頼る必要がある技術だけに、試行には活用できるリソースをうまく組み合わせることも要点となると感じた。
ディープラーニングG検定公式テキスト
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト) 公式テキスト
- 作者: 浅川伸一,江間有沙,工藤郁子,巣籠悠輔,瀬谷啓介,松井孝之,松尾豊,一般社団法人日本ディープラーニング協会
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/10/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「強いAI」の立場では「人間の心や脳の働きは情報処理なので、本物の心を持つ人工知能はコンピュータで実現できる」と考えており、「弱いAI」の立場では「コンピュータは人間の心を模倣するだけで本物の心を持つことはできないが、人間の知的活動と同じような問題解決ができる便利な道具であればよい」と考えています。
ジョン・サール自身は、人の思考を表面的に模倣するような「弱いAI」は実現可能でも、意識を持ち意味を理解するような「強いAI」は実現不可能と主張しました。
本書は検定試験のテキストであるが、ディープラーニング技術に限らずAI(人工知能)に関する幅広い論点をカバーしている。
上記引用の「強いAI・弱いAI」の他にも「AI効果」「身体性」「シンギュラリティ」など、AIブームが続く中で誤解に基づく幻滅を回避し、健全に着実に社会実装を積み重ねていくために理解すべきキーワードが「人工知能分野の問題」として一つの章にまとめられている。
「Googleのネコ」「AlphaGo」「自動運転」など、近年AI応用の実用化例が次々に社会に組み込まれていく中で、現在のAI研究の進捗度がどの程度であり、決して万能ではないAIを如何に組み込んでいけばよいのかの目利きの力が問われているのだと感じる。